『コルビュジエさんのつくりたかった美術館』美術館は、世界を見る装置だ(アート・美術館のおすすめ本)

コルビュジエさんが案内する国立西洋美術館

舞台は、東京上野の国立西洋美術館。
2000年代を生きる少年の前に、いきなり現れた謎のお爺さんは、
西洋美術館を設計したル・コルビュジエ(Ⅰ887-1965)本人だったのです…というお話。

国立西洋美術館とその設計者をテーマにした絵本です。
館内に展示されている作品はモネの「睡蓮」くらいしか登場せず、
普段はあまり注目を集めない美術館そのものに光を当てています。
読者は少年と一緒にコルビュジエさんに引っ張られて西洋美術館(常設展示の部分)を回り、
この美術館をつくったコルビュジエさんの思想を学び、
さらに美術館とは何なのかと考えることになります。

ダブルのスーツに蝶ネクタイと丸眼鏡をかけたお爺さんが
柱に抱き着いたり階段から転げ落ちたり…とコミカルな演出がある一方、
美術館の建設にあたってコルビュジエさんが持っていた構想、
当初に計画されていた美術館の計画と比べると
現在はやむを得ない事情で変更されてしまった部分があること、
また美術館の建設に留まらない壮大な都市計画があったことなどが
分かり易く解説されています。

68頁の薄い本ですが、
ル・コルビュジエや建築について何も知らなくてもするっと読める
入門書にはうってつけの一冊だと思います。

書籍情報

五十川藍子 文,金子ともこ 絵,山名善之 監修『コルビュジエさんのつくりたかった美術館』エシェル・アン,2009

監修の山名義之さんは建築家で、ル・コルビュジエ研究の第一人者。
作中に引用されているコルビュジエさんの手紙を翻訳した人でもあります。

美術館情報 国立西洋美術館(常設展)

1959年に、フランス政府から日本へ寄贈返還された「松方コレクション」を中心に
西洋の美術作品を専門とする美術館です。

東京都台東区上野公園7番7号

9:30~17:30
金曜・土曜日は9:30~20:00
時間延長期間は、9:30~21:00
 ・ゴールデンウィーク期間中の金・土・日・祝
 ・7~9月を含む夏期展覧会の金・土
 ・プレミアム・フライデー
※入室は閉室の30分前まで

月曜休館(祝日又は祝日の振替休日となる場合は開館し、翌日の火曜休館)
年末年始(12月28日~翌年1月1日)休館

一般 500円(400円) 大学生 250円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下及び18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方及び付添者1名は無料
※国立美術館キャンパスメンバーズ 加盟校の学生・教職員は無料
※金曜・土曜日の夜間開館時(午後5時以降)の常設展の観覧料は無料

無料観覧日(常設展示のみ)
 毎月の第2、第4土曜日
 国際博物館の日(5月18日)
 文化の日(11月3日)

公式ホームページ