明治大学博物館に鉄の処女(アイアンメイデン)を見にいく

中世ヨーロッパで処刑や拷問に使われたという「鉄の処女(アイアンメイデン)」。
実際に使われたかどうかは怪しいのですが、そう呼ばれる道具は世界各地に残されていいて、東京都千代田区にある明治大学博物館でもかつてドイツにあった鉄の処女の複製を展示しています。

鉄の処女(アイアンメイデン)について


中世ヨーロッパの刑具と言われる「鉄の処女」は、中が空洞になっている鉄の女性像です。
大きさはちょうど人ひとりが収まるくらい。
前面にある扉には内側に向けて鋭く長いトゲが突き出していて、扉を閉めると中の犠牲者を串刺しにする仕組みです。

身動きの取れない人間をジワジワと苦しめて死に至らしめる残酷さが逆に好奇心を刺激するのか、漫画や小説などにもたびたび登場し、昔の処刑具の中でもかなり有名ですが…現在では、鉄の処女を使った処刑や拷問はなかったと考えられています。

現在知られている鉄の処女は、犯罪者を広場などで晒し者にする中世の拘束具をもとに想像で作られたもので、内側に付けられたトゲは「製作時点でついていたか分からない」という理由から外して展示している所もあるんだとか。


明治大学博物館で鉄の処女を見る

鉄の処女の中でも特に有名なのが、かつてドイツのニュルンベルクにあったもの(1857年に製作)です。
オリジナルは1944年に空襲で失われましたが、それ以前に作られた複製がヨーロッパを中心に10体以上現存し、日本国内でも東京都の千代田区にある明治大学博物館が展示しています。

明治大学博物館

〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモン地階
月~金曜日 10:00~17:00
土曜日 10:00~16:00
※入館は閉館の30分前まで
日曜祝日 休館
入館無料(特別展は有料の場合もあり)
公式ホームページ https://www.meiji.ac.jp/museum/index.html

鉄の処女を訪ねて

明治大学博物館は、JR御茶ノ水駅のすぐ近くにあります。

JR御茶ノ水駅の「お茶の水橋口」を出て、明大通りの坂を神保町の方に降っていくと、右手に見えてくるのが生涯教育・生涯学習の拠点「明治大学アカデミーコモン」。
広場の階段を上った先にあるガラス張りの建物です。
明治大学博物館は、この地下1階にあります。
神保町方面からのアクセスは、駿河台下の交差点から明大通りを登って、明治大学リバティタワー・大学会館・12号館を通り過ぎた先の左手です。

入口を入って左手のエスカレーターで降りていくと、ミュージアムショップを兼ねたロビーがあります。
すぐ正面に特別展示室、右手に常設展示室の入り口がありますが…
エスカレーターを降りる途中で、忘れずにちょっと左を見てください。

後頭部だけで何故か存在感があるこちらが、目的の「鉄の処女」です。
(全体像は一番上の画像をご覧ください)

素朴な女性の形と素材からくる重厚さと無機質さが相まって、実際に使われていなかったと分かっていても慄いてしまう迫力がありますね。
展示室のリニューアルで、2026年の4月からこの場所に展示されるようになったとか。
鉄の処女の周りは明治大学博物館の成り立ちなどを解説するパネルが設置されています。


明治大学博物館の鉄の処女

前述のとおり、明治大学博物館にある鉄の処女はニュルンベルクにあった鉄の処女の複製(1932年製作)です。

明治大学博物館の3つのテーマ(刑事・商品・考古)のうち、特に歴史の長い刑事部(設立当時は刑事博物館)では、1929年から法学研究の資料として資料や実際に使われた道具などを収集し、実物を入手できないものは複製を製作していました。
(鉄の処女以外の有名どころでは、明治大学博物館の常設展示内に実物大のギロチンが展示されています)
鉄の処女もこの時に日本で作られ、現在は

拷問や刑罰の道具と考えられていた時期もあるが、現在では好事家による創造物で、拷問や刑罰の道具として製作使用された歴史的事実がないことが明らかになっている。

と解説が添えられています。
「刑具」として展示するには信憑性に欠けるものの、良質な複製そして博物館の歴史を示す資料としてこちらに置かれているのでしょうか。