東京上野の国立科学博物館(科博)は、大人から子供まで楽しめる人気スポット。
けれども内容が充実しすぎて1度ですべてを楽しむのは難しい場所でもあります。
何度も行きたいけれど、入館料は安く抑えたい。
そんな時頼りになるのが、有効期間中何度でも入館できる年間パスポートです。
ここでは、年間パスポートの特典がある「科博友の会」と「リピーターズパス」を比べてみました。
国立科学博物館に行くなら年間パスポートがおすすめ
国立科学博物館では、地球の成り立ち・生命の進化・科学の発展など科学に関することを幅広く扱っています。
展示も質・量ともに膨大なもので、常設展だけでも「日本館」と「地球館」があり、さらに年数回の特別展があり…とても1日では遊びきれません。
1年に何度も通うなら、「科博友の会」に入会するか「リピーターズパス」を購入すれば、有効期間中無料で入館できる年間パスポートのほか様々な特典を受けることができます。
(高等専門学校生を含む高校生以下は常設展無料です。ご注意ください)
筑波実験植物園・国立科学博物館附属自然教育園の2施設に無料入園ができる「みどりのパス」もありますが、ここでは国立科学博物館が対象の2つを取り上げます。
国立科学博物館と付属施設で使える年間パスポートの情報は、公式ホームページでも紹介されています。
「科博友の会」と「リピーターズパス」
有効期間中は国立科学博物館の常設展示・筑波実験植物園・国立科学博物館附属自然教育園の年間パスポートとして使えるほか、様々な特典があります。
料金の高い「科博友の会」は年間パスポート以外のサービスがより手厚くなっており、購入する時はそれぞれの内容をよく見比べて決めるのが良いでしょう。
国立科学博物館に行くなら「科博友の会」「リピーターズパス」どちら?
「科博友の会」と「リピーターズパス」は、会員の種類と特別展の入場料金に大きな違いがあります。
参考までに、国立科学博物館の入場料は以下のとおりです。
- 高校生以下(18歳未満) 無料
- 一般(大学生以上) 630円
※障害者手帳等の提示で本人および介助者1名無料
特別展の料金はそれぞれ異なりますが、2024年の特別展「大哺乳類展3」「昆虫 MANIAC」「鳥」の当日券の料金は以下のとおりです。
- 小・中・高校生 600円
- 一般・大学生 2,100円
利用者の種類と料金
科博友の会には以下のとおり「小・中・高校生会員」「個人会員」「家族会員」「学校会員」の4種類があり、費用もそれぞれ異なります。
小・中・高校生会員以外は2年間有効の「2年会員」を選ぶこともできます。
科博友の会(1年会員)の料金
- 小・中・高校生会員
3,000円 - 個人会員(大学生以上が対象)
5,500円 - 家族会員(同居家族2名が対象)
大人2名 7,500円
大人1名と、小〜高校在学中の学生1名 6,100円
※3人目以降は、大人2,000円、小・中・高校生600円で追加が可能 - 学校会員(小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・高等専門学校の教職員が対象)
8,000円
✳︎常設展・一部の特別展に入場の際、5名まで無料
科博友の会(2年会員)の料金
- 個人会員(大学生以上が対象)
10,000円 - 家族会員(同居家族2名が対象)
大人2名 13,600円
大人1名と、小〜高校在学中の学生1名 11,100円
※3人目以降は、大人3,600円、小・中・高校生1,100円で追加が可能 - 学校会員(小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・高等専門学校の教職員が対象)
14,400円
※常設展・一部の特別展に入場の際、5名まで無料
リピーターズパスの料金
リピーターズパスの場合は年齢に関係なく1,500円。
有効期間は1年です。
科博友の会に比べると、小・中・高校生会員(3,000円)の半分なので大分お得に感じますが、友の会は他の特典が大きい事を忘れてはいけません。
特別展の料金
科博友の会とリピーターズパスを比べる時に注目したいのが、特別展の料金です。
どちらも国立科学博物館の常設展(および筑波実験植物園・国立科学博物館附属自然教育園)には、何度でも・無料で入ることができますが、特別展が無料になるのは科博友の会のみです。
科博友の会は「特別展各1回無料」
科博友の会は、年に数回ある国立科学博物館の特別展に「各1回無料」で入場でき、2回目以降は大人のみ割引になります。
(ただし無料対象外の特別展あり)
学校会員は、各特別展ごとに5名まで無料になります。
リピーターズパスは「特別展割引」
リピーターズパスは、国立科学博物館の特別展に「割引料金」で入場できます。
(割引対象外の特別展あり)
有効期間
科博友の会は1年会員と2年会員があり、入会時にどちらかを選ぶことになります。
リピーターズパスは1年のみです。
2年会員は年間で見れば1,000円以上の割引になりますが、友の会会員証の有効期間中は内容の変更ができないため注意が必要です。
会員証は一家族あたり1枚の発行で、会費の払い戻しはありません。
(自立心の芽生えたお子さんが親と一緒に科博に行ってくれなくなっても、子どもの分だけ払い戻したりはできません!)
その他の特典
- 国立科学博物館・筑波実験植物園・附属自然教育園ミュージアムショップ 10%割引
(一部対象外の商品あり) - 国立科学博物館内のレストラン・カフェ 5%割引
(一部対象外の商品あり) - 音声ガイドの使用料金 2回目以降無料
(1回目は320円)
※特別展の音声ガイドおよびタブレット型の「かはくナビ」は対象外
友の会会員は、これに加えて以下の特典があります。
- 国立民族学博物館に割引料金(団体料金)で入場可能
(展示によっては割引対象外) - 自然と科学の情報誌『milsil (ミルシル)』(季刊)と、国立科学博物館の広報誌『kahaku event』(隔月刊)の送付
『milsil』はミュージアムショップおよびウェブショップでも購入できます。
1冊 428円
年間購読 2,200円(4回分。送料込)
『kahaku event』は国立科学博物館の館内で無料配布されているほか、ホームページからpdfをダウンロードできます。
特別展に行くなら「科博友の会」、常設展で充分なら「リピーターズパス」を
一般の場合、常設展のみでも年3回以上行くなら最低でもリピーターズパスは購入するべきでしょう。
加えて科博の特別展に必ず行く予定なら、友の会入会を検討するのも良いと思います。
小学生・中学生・高校生はもともと常設展が無料のため、無料になる範囲が常設展のみのリピーターズパスはあまり意味がないと思います。
友の会も特別展の無料入場以外の特典を利用しないなら、家族会員以外はかえって高くつくかもしれません。
以下に、大まかな数字を挙げておきます。
一般料金の場合
科博友の会(個人の1年会員は5,500円)の場合、特別展の入場料(1回2,000円として、対象になる特別展が年2回あるなら4,000円)と『milsil』の年間購読料(2,200円)が含まれるので、これだけで約700円お得になります。
『milsil』にそれほど魅力を感じない場合でも、常設展3回(1回630円で1,890円)に特別展の入場料2回分で、だいたい390円安くなる計算です。
リピーターズパス(1,500円)は常設展に年3回以上行けば390円お得になります。
高校生以下の場合
科博友の会(小・中・高校生会員の1年会員は3,000円)の場合、特別展の入場料(1回600円として、対象になる特別展が年2回あるなら1,200円)と『milsil』の年間購読料(2,200円)でおよそ400円お得です。
高校生以下が個人で友の会入会を考えるなら、常設展の音声ガイドを2回以上利用するか、情報誌を家に送ってもらうか、レストラン・カフェを利用するか、ショップでお土産を買うか…など、よくよく検討する必要がありそうです。
もちろん「純粋に科博が好きだから応援したい」という理由で友の会に入会するのもありですよ!