絵金をたずねて高知まで(絵金蔵・アクトミュージアム) ー 車なしなら電車・タクシーでアクセス

高知県の香南市には幕末土佐の絵師・絵金専門に関する2つのミュージアムがあり、絵金ファンなら一度は訪れたい場所です。
高知県、しかも高知市の外というと「自家用車がないと移動できないのでは?」と不安になる人もいるかもしれませんが、ご安心ください。
香南市は高知龍馬空港や高知市からのアクセスが良く(高知市から東に20〜30km)、県外からの車なし・運転不安勢でも電車とタクシーで訪れることができます。
(電車は本数が少ないため、時間に余裕をもって行きましょう)

絵金蔵とアクトミュージアム

ここで紹介する2つの施設はどちらも香南市にあり、土佐を代表する絵師・絵金に迫る展示がユニークなミュージアムです。

絵金蔵

高知県香南市赤岡町538

月曜休館(祝日は開館し、翌平日休館)

9:00~17:00(入館 16:30まで)

大人520円、高校生300円、小中学生150円
団体 大人470円

専用駐車場なし
ホームページのアクセス情報に近隣の駐車場の案内あり

公式ホームページ

絵金蔵とは?

赤岡町(高知県香南市)は絵金が町絵師として活動した場所で、毎年7月の第3土・日曜日におこなわれる「土佐赤岡絵金祭り」など、絵金と赤岡の町をテーマにしたイベントにも力を入れています。

2005年にオープンした絵金蔵は、赤岡町に伝わる絵金の芝居絵屏風23点のほか、絵金に関する資料を収蔵するミュージアムです。
建物は農協の古い倉庫をリノベーションしたもので、JA高知県赤岡支所のすぐ裏にあります。

絵金祭りで展示される芝居絵屏風はこの絵金蔵で保管されていますが、普段はほとんど非公開です。
(特別展などの機会に展示されることはあります)
そのかわり、暗闇の中に芝居絵屏風のレプリカを並べて蝋燭や提灯風の照明で鑑賞する「闇と絵金」(写真)、本物の芝居絵屏風のうち2点を展示室内に設けられた覗き穴を通して見ることができる「蔵の穴」など工夫を凝らした展示が楽しめます。
土佐藩家老の御用絵師の地位から失脚し、町絵師として芝居絵屏風や幟などを制作し、多くの弟子を育てた絵金の生涯に関する展示が充実していて、絵金の入門にぴったりです。


アクトミュージアム(絵金派アートギャラリー)

高知県香南市野市町大谷928-1
創造広場アクトランド内

月曜休み(祝日・振替休日は開館し、翌平日休み)
※年末年始・GW・夏休み期間はホームぺージ等でご確認ください

10:00~18:00(入館チケット販売・飲食のラストオーダーは17:30まで)

大人1,000円、高校生以下500円(単館チケット)
1日パスポート:大人5,000円、高校生以下2,500円
※入園、および自遊空間への入場は無料。

専用駐車場あり(乗用車246台・大型バス8台・自転車100台を収容可能)

公式ホームページ

絵金派アートギャラリーとは?

2015年にオープンした「創造広場アクトランド」は、無料で入れる遊園地の中に8つのミュージアム(アクトミュージアム)があります。
絵金派アートギャラリーがあるのはニーオアフリカンギャラリーの2階。
薄暗い照明に時代劇を思わせる展示スペースが絵金の独特な雰囲気を盛り上げています。

絵金「派」の名前からもわかるように、絵金本人の作品はもちろん弟子や孫弟子、さらに御用絵師時代の弟子(幕末の志士として有名な武市半平太[1829-1865]も弟子入りしていました)、時期は異なるものの同じ師に狩野派を学んだ河鍋暁斎(1831-1889)などなど、ゆかりのある絵師の作品が並んでいます。

裕福な町人から依頼を受けてたくさんの作品をのこし、特に芝居絵屏風の大成者として名高い絵金の影響は大きく、高知では絵師一般を「エキン」と呼んでいたほど。
本家・絵金とその画風を受け継いだ「エキン」たちの作品をじっくり鑑賞したい時におすすめです。


絵金蔵とアクトミュージアムへのアクセス ー 車なしなら電車とタクシーで

高知県は面積が広く(全国18位、四国地方では最大)人口密度が低いために車移動が基本。
絵金蔵・アクトランドに行く場合も自動車があればそれに越したことはありませんが、車なしの旅行者でも電車・タクシーでのアクセスが可能です。

絵金蔵とアクトランドの最寄り駅

絵金蔵と創造広場アクトランドは、どちらも「ごめん・なはり線」(土佐くろしお鉄道)の沿線にあります。
ごめん・なはり線はそれぞれの駅に漫画家やなせたかし先生考案のキャラクターがいることでも有名です。

高知市内からごめん・なはり線にアクセスするには

  • JR土讃線から「後免駅」(JR高知駅から約20分。おとな普通330円・こども普通160円)
  • とさでん交通後免線から「後免町駅」(はりまや橋から約40分。おとな500円・こども250円)

などがあります。
時刻表や料金などは、ごめん・なはり線の情報を提供するホームページ「ゴトゴトweb」からも確認できます。

絵金蔵の最寄り駅

絵金蔵の最寄り駅は「あかおか駅」です。

  • 後免駅から約20分(おとな410円・こども210円)
  • 後免町駅から約13分(おとな410円・こども210円)

駅からは徒歩で約10分です。

アクトランドの最寄り駅

創造広場アクトランドの最寄り駅は「のいち駅」です。

  • 後免駅から約7分(おとな260円・こども130円)
  • 後免町駅から約5分(おとな260円・こども130円)

駅からは徒歩で約10分です。

絵金蔵・アクトランド間のアクセス

あかおか駅・のいち駅間はごめん・なはり線で2駅(約5分。おとな260円・こども130円)ですが、本数は1時間に1本ほどです。
(通学・通勤の時間帯は1時間に2〜3本)
絵金蔵・アクトランド間は車なら約10分(タクシー料金は1600円前後)なので、1日で両方回るならタクシーなど車の移動が便利です。

香南市周辺エリアのタクシー会社には、のいち駅から徒歩3分の場所にある株式会社のいちタクシー(ホームページはこちら)などがあります。


空港からのアクセスはタクシーで ー 空港乗合タクシーならもっとお得に

高知龍馬空港から絵金蔵・アクトランドへのアクセスは、タクシーで10〜20分。
料金は1500円〜2000円くらいです。
ルートや時間帯、道の状況によって多少変わるようで、わたしが空港から絵金蔵までタクシー移動した時(2025年10月)の料金は2,160円でした。

もっと安く移動したいなら、おとな500円・こども250円(3才未満は座席を使用しない場合1名まで無料)で高知龍馬空港・のいち駅間を運行する「空港乗合タクシー」をはいかがでしょう。
事前予約制で、決まった時間のみ(1時間に1〜2本)運行する乗合タクシーです。
(1人から予約できますが、予約がない便は運行しません)
支払は現金のみです。

電話、または空港ホームページの予約フォームから予約できます。
予約は乗車日の3か月前から乗車希望時刻の30分前まで(早朝~9時の便は前日17時まで)。
ただし予約の変更とキャンセルは30分前までとされています。
タクシー会社のホームページでは「利用時間の3時間前までの予約が必要」とあり、やはり余裕をもって、できれば飛行機のチケットと合わせて予約するくらいの方が良いようです。

詳しい情報・予約はこちらから(高知龍馬空港のホームページ内)
空港から絵金蔵・アクトランドに行くなら、空港ーのいち駅の便をご利用ください。