メモ・アンケート・コロナウイルス感染対策にも? 美術館・博物館と鉛筆の話

美術館や博物館で「メモを取るときは鉛筆で」という注意書きをよく見かけます。
またアンケートや緊急連絡先カードの記入など、ものを書く機会は意外と多いもの。
新型コロナウイルスの接触感染対策の一環として
マイ鉛筆を持ち歩くのもいいかもしれません。

美術館・博物館でエンピツが必要になるとき

メモはもちろん、何らかの記入が必要な場合は
施設側が鉛筆を貸してくれます。
最近はコロナウイルス対策で、共用の鉛筆を消毒し、
使用済みの鉛筆は別にしてまた消毒…という面倒もあるようですね。
自分のエンピツを持って行くことで施設側の手間をへらし、
接触感染のリスクを下げることもできるかもしれません。
(飛沫感染より少ないものの、接触による感染も1割ほど確認されているそうです)

展示室の中でなければ他の筆記用具を使っても問題はないのですが、
荷物をロッカーに預けて荷物を最小限にしている場合や
逆に荷物が多すぎて文房具を探すのが面倒な場合など、
いつでも取り出せる場所に鉛筆を1本入れておく方が面倒はないと思われます。

メモを取るために

たとえば美術館で、
作品のタイトル、作者名、年代、使われている素材や技法などの記録に、
また作品の印象を言葉や絵の形で残して後で思い出しやすくしたり、
メモをもとにより詳しく調べて知識を深めたり…など。
展示室内でメモを取っておくと、楽しみの幅が広がります。

アンケートの記入に

最近はスマホを使った電子アンケートに切り替えている所もありますが、
美術館や博物館では、来館者の利用状況や満足度などを調べるために
アンケートを設置していることがあります。
抽選でプレゼントや、次回の招待券などが当たることも。

緊急連絡先カードの記入にも

最近は施設内でコロナウイルス感染者が確認された場合に備え、
入館前に、名前・住所・日中の連絡先などを記入する機会も増えています。
わたしも2020年から2021年にかけて複数の施設で記入しました。
(今のところ緊急連絡は来ていません)


何故鉛筆なのか? 展示室に持ち込める理由

展示室内の「メモをとる時は鉛筆で」というルールは、
おもに展示されている作品や資料(展示室の壁やケースも)を守るためのものです。
鉛筆は他のものに触れて汚してしまった時に(比較的)除去しやすく、
素材が柔らかいので(比較的)傷つけにくいという特色があり、
美術館や博物館で働く方々は、
どうしてもペンが必要な場合(公的な書類など)をのぞいて
鉛筆を愛用していることが多いそうです。
(学芸員や監視係など、作品や資料に接する機会が多い場合は特に)

鉛筆はなぜ安全なのか?

鉛筆(一般的な木軸鉛筆)の芯は、
黒鉛(石墨・グラファイト)に結合剤の粘土を混ぜ合わせて焼き固めたもの。
他にもいくつかの工程がありますが、黒い色は黒鉛由来です。
黒鉛の結晶は剝がれやすい層状の構造になっているため、
剥がれ落ちた黒鉛の粒が紙の繊維に引っかかって
文字や図形が書ける仕組みです。

液状のインクなどに比べると紙の奥まで染みこまないために
時間が経つと擦れて薄くなってしまう性質があるのですが、
付けてはいけない物に汚れを付けてしまった時は
消しゴムで簡単に落とせるという利点があります。

また鉛筆は非常に柔らかく軽いため、
何かに当たっても傷をつけにくいというのも大きな利点です。
ボールペンや万年筆に比べると、比較的安全な筆記用具と言えるでしょう。

シャープペンシルは駄目?

ならばシャープペンシルはどうでしょうか?
実際に「鉛筆とシャープペンシルのみ使用可」としている美術館や博物館もあります。
そうは言っても「鉛筆のみ可」の施設の方が圧倒的多数なのは確かで、
いちいちシャープペンシル可かどうかを調べるよりは
鉛筆に統一した方が現実的に思えますが、いかがでしょう。

シャープペンシルの芯の主な材料は鉛筆と同じ黒鉛でですが、
鉛筆の芯より細く(日本で一般的なシャープペンシルの芯は0.5mm)するために、
樹脂を混ぜて焼成し、より硬く仕上げています。
また芯を保護するガイドパイプ(ペン先に出っ張っている細長い部分)は
触ってみると意外に鋭く、
安全を考えるならシャープペンシルも止めておいた方が無難なようです。


エンピツを持ち込むためのちょっとした工夫 キャップと鉛筆クリップ

ここまで鉛筆の安全さを強調していきましたが、
鉛筆は「他の筆記用具と比べて」「比較的」安全なのであって、
何があっても大丈夫なわけではありません。

芯の主成分である黒鉛が「柔らかく剥がれ落ちやすい」ということは、
周りのものにくっ付きやすいということでもあります。
(落としやすいと言っても、最初から付かないのが一番です)
芯は削れば尖りますし、刺さればそれなりに痛いもの。
付け加えると、大人の手は小学校低学年の子どもの顔に近い高さだそうです。

施設や展示品はもちろん、
他の来館者に怪我をさせたり服を汚したり…
といった事態は、鉛筆キャップがあると防げます。
もちろん、自分の服や持ち物を汚さない為にも便利。

また、うっかり取り落とした鉛筆が他の人の足もとに…
なんて危険を防ぐために、鉛筆クリップもあると便利です。
これはキャップ以上に馴染みのないアイテムかも知れませんが、
鉛筆にクリップをつけてポケットやノートの端に引っ掛けることができます。
(プラスチックのクリップに芯を差し込んだ「クリップペンシル」とは別の物)
中にはキャップとクリップが合体したものも。

キャップとクリップ(またはクリップ付きキャップ)は、
文房具店・100円ショップ・コンビニなどに行けば
数十円から数百円で手に入ります。
(中には数千円する高級品もありますが…)
ぜひ、好みに合わせて探してみてください。

ところでわたしは、白い鉛筆にキャップとクリップをつけて持ち歩いていた時、
何度か監視員の方に声をかけられたことがありました。
(遠目にはペンに見えたようです)
三菱のuniに変えてからは注意を受けていませんので、
鉛筆だけは、一目で「普通の鉛筆」とわかるデザインが良いと思います。

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