「ぐるっとパス」2022から電子チケットに(QRコード付カードも) ― 購入方法と使い方、新たな対象施設

2022年4月1日発売の「ぐるっとパス2022」は、これまでのチケットブック形式から
QRコードを読み取る電子チケット(またはカード)形式に変更されました。
対象施設は7館が参加(うち6館は再参加)・5館が脱退し、合計101施設となりました。

ぐるっとパスは、都内を中心とする美術館・博物館・庭園で使える入場券・割引券のチケットセットです。

販売価格 2,500円
対象施設 101
販売期間 2022年4月1日~2023年1月31日
有効期限 最初に使用した日から2か月(最終有効期限は、2023年3月31日)
事務局からのお知らせ「ぐるっとパス2022」4月1日(金)発売
ぐるっとパス2022(pdf.)

2022年のぐるっとパスは、7館が参加(うち6館は再参加)して5館が脱退。
対象施設は101となり、ついに3桁を達成しました。
利用者としては価格はそのままで使える施設が増加という、嬉しい結果です。


ぐるっとパス2022はブック型から電子チケット(またはカード)に!

2022年の大きな変更点は、チケットを束ねたブック型から
QRコードを読み取る電子チケット(またはカード)に変わったことです。
長らくお世話になった紙のチケットが無くなるのは寂しい気もしますが、
これからも対象施設が増えていく(これはわたしの願望…)からには
電子への切り替えはやむを得ないでしょう。
(ぐるっとパス2021の背幅はおよそ12mm。メモ帳なみの厚さです)

販売期間中は24時間対応なので、ほしい時にすぐ購入できるのがうれしいところ。
ただし、施設一覧・利用案内・料金などの情報を確認したい時は
いちいちぐるっとパスや施設のホームページにアクセスしなければならず、
パラパラめくるだけで良かったチケットブックよりも手間がかかるように感じます。
(カードタイプについてくるガイドブックの施設概要にも地図は載っていません)

今後ぐるっとパスの利用者には、
行きたい施設の情報をこまめに集めることが必要になるでしょう。

電子チケット版「ぐるっとパス」の購入方法と使い方

電子チケットを購入するには
まず「ぐるっとパス 2022」のトップページからもリンクされている
webketの購入画面に行きましょう。
(右下にある「オンラインチケット購入」の赤丸がリンクになっています)
利用にはwebketのアカウントが必要ですが、
未登録の場合は途中で登録を促すリンクが出てくるので、そのタイミングでOKです。

チケットの枚数を選び、「詳細情報設定」から「ご利用指名」を設定。
クレジットカードから決済をして、購入完了となります。

購入完了画面からQRコードをスマートフォンに保存するか、
(購入内容確認メールにもQRコードが添付されているのでそちらでも)
パソコンに保存して(pdf形式)プリントアウトすれば、
あとは利用する施設の窓口でQRコードを提示し読み込んでもらうだけ。

QRコードはwebketマイページの「チケット履歴」からアクセスできるので、
うっかり削除してしまった場合も再度ダウンロードできます。
「チケット履歴」からは、「チケット詳細」の「利用履歴」を選択することで
利用済みの施設を確認することもできます。
同じチケットで同じ施設に2回入ろうとしてしまう…などという
うっかりを防げるのは有難いですね。(特別展の変わり目などは要注意です!)

「ぐるっとパスカード」の購入方法と使い方

電子チケットが購入できない場合は、
今までどおり対象施設やぐるっとパスの販売窓口で
QRコード付きの「ぐるっとパスカード」を購入することもできます。

このカードは表面にぐるっとパスのロゴ・署名欄・QRコードがあるだけのシンプルなもので、
利用履歴は確認できないため、自分で管理する必要があります。
(表面のQRコードをスマホで読み込んでも、通し番号をグーグル検索した結果が出るだけでした)

カードを購入すると使い方・利用案内・施設一覧などの情報をまとめた
「ぐるっとパスガイドブック」(A6サイズ、表紙含めて28頁)がついてくるので
そちらで管理することもできますが、持ち歩きにはやや不便かもしれません。

そして当然ながら、うっかり無くしてしまった場合は
新しく購入する以外の方法はありません。
(ぐるっとパスは災害時を含むいかなる状況でも払い戻し・期間延長は不可です)。
チケットブック時代と比べてすっかり小さくなってしまった「ぐるっとパスカード」
うっかり無くさないよう、くれぐれもご注意を!
(電子チケットをなくすときは恐らくスマホもセットなので、チケットどころではありませんね…)


ぐるっとパス2022、豊島区立熊谷守一美術館が新たに参加

新たに参加する豊島区立熊谷守一美術館は、
洋画家・熊谷守一(くまがい もりかず、1880-1977)が
1932年から最期まで暮らした自宅兼アトリエのあった場所に建てられた美術館で、
油絵のほかに墨絵・書・クレパス画・鉛筆画など
常時60点ほどの作品が見られます。
1985年に私設美術館としてオープンし、2007年に豊島区立の美術館となりました。
かつては守一宅の庭にあったケヤキの木が前庭に植えられていましたが、
病気のため2019年に伐採され、現在は子孫の若木が植えられているそうです。

豊島区熊谷守一美術館の概要

東京都豊島区千早2-27-6

10時30分~17時30分 ※入場は閉館の30分前まで

毎週月曜日休館(祝祭日問わず)
年末年始(12月25日~1月7日)休館

一般 500円(企画展は特別料金)
高・大学生 300円
小・中学生 100円
小学生未満 無料
障がい者手帳の提示で100円(介助者1名無料)
ぐるっとパスの利用で常設展・企画展・特別展入場無料に

公式サイト


ぐるっとパス2022の再参加6施設
(国立西洋美術館・石洞美術館・三井記念美術館・泉屋博古館東京・松岡美術館・SOMPO美術館)

2022年度に改めて参加する施設は以下の6館です。
このうち国立西洋美術館は・石洞美術館・三井記念美術館は、
4月1日時点で休館中のため、入館できません。ご注意ください。

国立西洋美術館(台東区上野、上野周辺エリア)

実業家の松方幸次郎(1866-1950)が蒐集した
西洋美術のコレクション(松方コレクション)を基礎とする、
西洋美術専門の国立美術館です。
ル・コルビュジエ(1887~1965)が設計した本館は、
2016年7月17日に世界文化遺産に登録されました。
リニューアルオープンは2022年4月9日です
公式サイト

石洞美術館(足立区千住橋、上野周辺エリア)

千住金属工業株式会社(はんだ製造)の本社ビル内にある美術館です。
同社の社長、会長を歴任した実業家・佐藤千壽(1918-2008)のコレクションを基に、
世界各国のやきもの、茶道具、青銅器、玉器、ガンダーラ仏などを公開しています。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年3月から長期休館していました。
再開は2022年5月21日です
公式サイト

三井記念美術館(中央区日本橋、皇居周辺エリア)

三井家の350年に及ぶ歴史のなかで収集された美術・工芸品およそ4000点を所蔵。
コレクションのおよそ半数が茶道具です。
美術館のある三井本館は、旧館が関東大震災で被害を受けたために
アメリカの設計事務所を招いて新設されたもので、
1998年に重要文化財に指定されました。
リニューアルオープンは2022年4月29日です
公式サイト

泉屋博古館東京(港区六本木、港・渋谷・目黒・世田谷エリアエリア)

住友家旧蔵の東洋美術品(中国の古代青銅器が中心)を
保存・公開している泉屋博古館(京都)の分館として、
1999年に旧住友家麻布別邸跡地に開設されました。
2021年4月に館名が「泉屋博古館分館」から「泉屋博古館東京」に変更されています。
リニューアルオープンは開館20周年にあたる2022年3月19日です
公式サイト

松岡美術館(港区白金台、港・渋谷・目黒・世田谷エリア)

実業家・松岡清次郎(1894-1989)が蒐集した東西の美術品
およそ1800点のコレクションを展示しています。
設立当時は自社ビルの中にあり、松岡氏の死後自宅跡地に移転しました。
コレクションの修復・調査、設備の改修工事のため
2019年6月から2022年1月まで休館していました。
公式サイト

SOMPO美術館(新宿区西新宿、新宿・練馬・池袋・王子エリア)

東郷青児の美術作品コレクションからはじまったこの美術館は、
1987年以降はゴッホの《ひまわり》がある美術館としても有名です。
ほかに印象派やポスト印象派、アメリカのグランマ・モーゼスの作品などの
絵画コレクションが充実しています。
2020年7月に本社ビル内から敷地内の新美術館棟に移転しました。
公式サイト


ぐるっとパス2022で対象外となる施設

2022年度に対象外となった施設は以下の5件です。

  • 静嘉堂文庫美術館(港・渋谷・目黒・世田谷エリア)
  • 東京都江戸東京博物館(墨田・深川・臨海エリア)
  • 刀剣博物館(墨田・深川・臨海エリア)
  • パナソニックセンター東京 AkeruE(墨田・深川・臨海エリア)
  • 三溪園(神奈川・千葉・埼玉)

このうち
静嘉堂文庫美術館は2021年6月から長期休館中。
(2022年10月、東京丸の内の明治生命館1階に移転・オープン予定)
東京都江戸東京博物館は、全面的な設備機器更新等の大規模改修工事のため
2022年4月1日から2025年度まで休館予定です。

わたしとしてはリニューアル後「ぐるっとパス2023」「ぐるっとパス2026」から
改めて参加するのでは、と期待したいところですが…
さて、どうなるでしょうか?