永青文庫の文化財修理プロジェクト|クラウドファンディング第1弾のマスコットは近代日本画より菱田春草の《黒き猫》が登場!

東京都の文京区にある永青文庫が、
所蔵する文化財の修理のためのクラウドファンディングを開始しました。
九州の大名・細川家伝来の美術工芸品や歴史資料、
近代になってから収集されたコレクションなど、
およそ9万点の文化財を将来に伝えるためのプロジェクトです。
第1弾のテーマは「近代日本画」。
菱田春草《黒き猫》(1910)が目印です。

永青文庫初の試み クラウドファンディングに挑戦

永青文庫のクラウドファンディングは7月30日に始まりました。
企業などから支援を受けていない独立採算の美術館である永青文庫は
新型コロナウイルス感染拡大による休館・入館者数の減少により
収益が大きく減ったために、修理費用が確保し辛い状況にあります。

プロジェクトの概要は以下の通りです。
(READYFORのサイトより引用)

目標金額:10,000,000円

プロジェクト内容:
2026年3月31日(火)までに永青文庫が所蔵する下記作品の修理を行うこと

  • 重要文化財 菱田春草「黒き猫」
  • 重要文化財 松岡映丘「室君」
  • 横山大観、下村観山、竹内栖鳳「観音猿鶴」
  • その他永青文庫が修理を必要とする所蔵作品

※本プロジェクトはAll in形式です。支援総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、ご寄付金は実行者に届きます。最終的に集まった金額に応じて規模を決定し、後日支援者様に成果をご報告いたします。

期間のおよそ4分の1弱が経過した8月15日現在、目標金額の45%を達成。
折り返し地点まであと少しです。
寄付の受付は10月8日(金)23時まで

クラウドファンディングのサイトはこちらです。
永青文庫の新たな挑戦。文化財修理プロジェクト第1弾|「黒き猫」他

READYFOR株式会社

クラウドファンディングを運営するREADYFOR株式会社は
オーマ株式会社のクラウドファンディングサービス事業
「Readyfor」として2011年3月にスタートしました。
2014年7月に株式会社として独立し、
同年11月オーマ株式会社から事業譲受。
株式会社CAMPFIREとともに
日本のクラウドファンディングの先駆けとなった会社です。


3千円から100万円まで、様々な特典つきの寄附コースは全部で12種類!
確定申告の際は寄付金控除の対象にも

寄附のコースはA~Lの12種類。
この中から、予算・特典の内容などを考えて選ぶことになります。

  • 基本コース(A) 1万円
  • グッズが貰えるコース(B~F) 1万5千~100万円
  • お気持ち応援の少額コース(G) 3千円
  • グッズ不要コース(H~L) 5万~100万円

寄付の特典について

もっとも基本的な1万円のコースは
「お礼のメール・オンライン学芸員トーク視聴権・寄附領収書・永青文庫ご招待券」
がセットになったもので、
金額が上がるとより豪華な特典が追加されます。
(オンライン学芸員トーク視聴権の詳細は2021年12月までに発表予定)

たとえば3万円以上のコースを選ぶと、4枚つづりの「ご招待券」が
期間中何度でも入館できる「サポーターパス」に変更されます。
(どちらも有効期限は2022年1月~2023年2月12日。READYFOR限定デザイン)

さらに5万円以上は、修理完了後の特別内覧会(数年後に開催予定)へのご招待が。
10万円以上になると、館内に名前が掲載される権利がもらえます。

また永青文庫は公益財団法人のため、
所得税の控除(法人の場合は法人税の控除)の対象となります
(少額のお気持ち応援コースを除く)
詳しくは、国税庁ホームページの
No.1266 公益社団法人等に寄附をしたとき」をご参照ください。
手続きには「寄附領収書」が必要です。

基本のコース

ほとんどのコースとセットになっています。

A 基本コース(1万円)
2021年12月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫ご招待券(4枚つづり/2022年1月~2023年2月12日)

グッズがもらえるコース

鹿革に漆で模様をつけた甲州印伝のオリジナルグッズ
(1万5千円~3万円でポーチ、5万円以上で名刺入れ)、
100万円のコースでは永青文庫が選ぶ熊本の工芸品がもらえます。

B 【READYFOR限定】「黒き猫」甲州印伝ポーチ(1万5千円)
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫ご招待券(4枚つづり/2022年1月~2023年2月12日)
  • 【READYFOR限定】「黒き猫」甲州印伝ポーチ
C 永青文庫サポーターパス(3万円)
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 【READYFOR限定】「黒き猫」甲州印伝ポーチ
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
D 「黒き猫」甲州印伝名刺入れ&特別内覧会ご招待(5万円)
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
  • 【READYFOR限定】「黒き猫」甲州印伝名刺入れ
  • 修理後の特別内覧会へのご招待(1名)
E 館内にお名前掲載 (10万円)
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
  • 【READYFOR限定】「黒き猫」甲州印伝名刺入れ
  • 修理後の特別内覧会へのご招待(1名)
  • 館内にお名前掲載(希望者のみ)
F 【永青文庫が選ぶ】熊本の伝統工芸品(100万円)
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
  • 【READYFOR限定】「黒き猫」甲州印伝名刺入れ
  • 修理後の特別内覧会へのご招待(1名)
  • 館内にお名前掲載(希望者のみ)
  • 熊本の伝統工芸品1点(何が届くかはお楽しみ)

少額から参加できるお気持ち応援コース

基本コースから寄附領収書とご招待券を抜いた内容です

G お気持ち応援【3千円】(3千円)
2021年12月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権

グッズ不要コース

寄附をできるだけ多く修理に回すためのコースです
すべてのコースが5万円以上のため、
サポーターパスと特別内覧会へのご招待がつきます。

H グッズ不要 応援コース【5万円】
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
  • 修理後の特別内覧会へのご招待(1名)
I グッズ不要 応援コース【10万円】
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
  • 館内にお名前掲載(希望者のみ)
  • 修理後の特別内覧会へのご招待(1名)
J グッズ不要 応援コース【30万円】
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
  • 館内にお名前掲載(希望者のみ)
  • 修理後の特別内覧会へのご招待(1名)
K グッズ不要 応援コース【50万円】
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
  • 館内にお名前掲載(希望者のみ)
  • 修理後の特別内覧会へのご招待(1名)
L グッズ不要 応援コース【100万円】
2022年3月発送完了予定
  • お礼のメール
  • オンライン学芸員トーク視聴権
  • 寄附領収書
  • 永青文庫サポーターパス(2022年1月~2023年2月12日)
  • 館内にお名前掲載(希望者のみ)
  • 修理後の特別内覧会へのご招待(1名)



第1弾(近代日本画)の顔は菱田春草の《黒き猫》
別テーマのクラウドファンディングも実施予定

今回のクラウドファンディングでプロジェクトの看板に選ばれたのは、
永青文庫の絵画作品の中でも特に人気が高い
重要文化財《黒き猫》(1910)

明治の日本美術界を先導した岡倉天心(1863-1913)に師事し、
横山大観(1868-1958)、下村観山(1873-1930)とともに
天心門下の三羽烏と呼ばれ、将来を期待されながら
36歳で早世した菱田春草(1874-1911)の作品です。

春草が亡くなる前年の文展(第4回)に出品したこの作品は、
葉が散りはじめた柏の樹に座ってこちらを見つめる黒猫の姿を描いたもの。
本物の猫がそこにいるかのようなフワフワした毛並みは、
線描を用いない光や空気の表現を日本画に導入して
「朦朧体(もうろうたい)」と呼ばれた春草の本領発揮といったところでしょうか。

この《黒き猫》は絹に描かれた日本画(絹本着色)です。
絹(絵絹)は紙以前から使われている伝統的な画材ですが、
紙と比べて裏打ち(作品の裏に貼る補強用の和紙)と剥がれやすい特徴があります。
《黒き猫》も年月の経過によって裏打ちから浮き上がっている部分があり、
このままでは裏打ちと分離したり、表面の絵の具が剥がれたりするおそれもあるため、
修理を必要としているわけです。

さて、今回が「第1弾」ということは、次回以降もあるという事です。
もしかすると永青文庫のファンには
近代日本画にはあまり興味が…という方もいるかも知れません。
わたしは《黒き猫》が好きなので参加しましたが、
興味のないジャンルより自分の好きな美術品に集中してお金を出したい!
と思うなら、次回以降を待つのも良いと思います。
(当然ですが、展覧会に出かけて入場料を払うのも立派な支援です)

戦国時代随一の文化人として知られる細川藤孝(幽斎、1534-1610)を初代とし、
肥後熊本54万石を収めた大名・細川家に伝来する品々を伝える永青文庫は、
武器武具・書画・彫刻・茶道具・能道具・歴史資料・古典籍など
多彩な文化財を9万点以上(うち国宝8点、重要文化財38点)も所蔵しており、
今回対象となるものはほんの一部にすぎません。
(近代日本画は永青文庫設立者である16代細川護立のコレクションだそうです)

永青文庫ではこの活動をシリーズ化して、継続的に続けていく計画とのこと。
個人的には武器・武具がテーマの回は、2代忠興(1563-1645)の愛刀で
ゲーム「刀剣乱舞」でも人気の「歌仙兼定」(刀 銘濃州関住兼定作)が
登場するのではないかと期待しているのですが…さて、どうなるでしょう?

ファンであるわたしたちも、
無理なく・楽しく・末永いお付き合いを目指したいものです。


永青文庫

東京都文京区目白台1-1-1

月曜休館(祝日の場合は開館、翌平日が休館)

10時~16時30分
※入場は閉館の30分前まで

一般 1,000円
シニア(70歳以上) 800円
大学・高校生 500円
中学生以下 無料
※障害者手帳の提示で、本人およびその介助者(1名)は無料

公式ホームページ