目黒区美術館「あそぶひと―人形と子どもの暮らし」アトリエ ニキティキ(Atelier NIKI TIKI)の現代玩具コレクション

目黒区美術館の「あそぶひと―人形と子どもの暮らし」展は
会期を大幅に変更して8月23日まで開催しています。
新型コロナウイルスの影響で企画の一部が当初と変わっていますが、
アトリエニキティキのコレクションがずらりと並ぶ展示は圧巻です。

あそぶひと-人形と子どもの暮らし(目黒区立美術館)

東京都目黒区目黒2-4-36

2020年6月20日(土)~8月23日(日)

10時~18時 (毎週金・土曜日は21時まで)
※入場は閉館の30分前まで

月曜休館
※8月10日(月・祝)は開館し、翌11日(火)休館

一般 800円(600円)
大高生・65歳以上 600(500)円
中学生以下 無料
※( )内は目黒区内在住者・在勤者・在学者(証明書類の提示が必要)
※障がいのある方とその付添の方1名は無料
※旧会期(4月22日~6月14日)の招待券は利用できます

ぐるっとパス対象施設(入場無料)

公式ホームページ

日時指定の必要はありませんが、マスクの着用と手指の消毒が必要です。
(除菌用アルコールは館内に設置)


ニキティキと目黒区立美術館のコラボレーション

1971年に創業してから、ドイツやスイスをはじめとする
ヨーロッパの玩具や絵本の輸入・販売をしているアトリエニキティキと、
1987年の開館以来、国内外の玩具をコレクションしている目黒区立美術館が
協力した展覧会は、

「立方体の7 つの窓-ペア・クラーセンの世界」展(2003)
「遊びのなかの色と形展―クルト・ネフ&アントニオ・ヴィターリ」(2010)
「ヨーロッパの木の玩具(おもちゃ)ドイツ・スイス、北欧を中心に」(2017)

に続く4回目になります。
積み木やパズルなどの木製玩具が中心だった過去3回に対して、
今回の展覧会は「人形」が中心です。
赤ちゃんのためのぬいぐるみ人形、少し大きい子のための抱き人形、
動かして遊ぶ指人形やハンドパペットなどの操り人形、
さらにドールハウスの住人や、聖書の一場面を演じるミニチュアなど、
バラエティー豊かな人形たちが登場します。


子どもの成長に寄りそう人形たち

この展覧会では、人形を使った遊びの場面にあわせて

  • 第1章 はじめて出会う人形―感覚を養う
  • 第2章 人形の家(ドールハウス)―暮らしを遊ぶ
  • 第3章 あやつり人形―お話から人形劇へ

の3章構成になっています。

赤ちゃんは、親に与えられたものが「人形」だなんてことは知らず、
感覚(触る、舐める、音を出す…)で楽しみます。

少し大きくなると、自分の手の中にあるものが人形であることを理解して
友だち、妹、弟、子どもなどに見立てた「人形遊び」をはじめます。

そして人形を動かして自己表現をするようになり、
他の人間とコミュニケーションをとり…と、
子どもの成長とともに、人形には様々な役割が与えられるのです。
(実際には人形に限らず、動物のぬいぐるみだったりするかもしれませんけど)

展示のなかでも、第1章の人形は圧巻でした。
陶製の人形(ビスク・ドール)が主流だった時代に
布製の抱き人形を発表した(1910)ケテ・クルーゼ人形をはじめ、
20世紀の人形作家が自分の子どもの為につくった人形や
その人形たちを商品化した普及版の人形など、100体以上。
「古い人形」にありがちな迫力や怖さを感じないのは、展示されている人形たちが
古くとも1900年代生まれの、いわば現代っ子だからでしょうか?


新型コロナウイルスの影響で体験展示は中止

人形や玩具のある生活をイメージした展示室では
子ども用のテーブルや椅子を設置した中に玩具を飾っています。

積み木と一緒に並んでいるハンドパペットは、
臨時休館中に展覧会の様子を紹介した動画に登場した
メグちゃん・マカレル先生・トイフルです。
(動画は展覧会のホームページから視聴できます)

本来は自由に遊べる体験コーナーになるはずだったのですが、
新型コロナウイルスの対策のため接触禁止…とても残念です。
(写真はOKです)
案外、玩具の方でもがっかりしているかもしれません。

一緒に遊ぶことはできませんが、
人間の良きパートナーである玩具たちに会いに行ってみませんか?