2020年2月29日から中止されていた
国立近代美術館の「ピーター・ドイグ展」は、
首都圏を対象とする緊急事態宣言の解除を受けて
6月12日(金)がらの再開が決まりました。(会期は10月11日まで延長になります)
美術館側は可能な限りの新型コロナウイルスの感染対策をとっているようで、
今後も美術館を楽しむため、わたしたちの方でも注意したいものです。
展覧会の公式ウェブサイトでは、会場内の様子を3DVRで無料公開しています。
ピーター・ドイグ展(東京国立近代美術館)
※日時指定予約制
東京都千代田区北の丸公園3-1
2020年2月26日(水)~10月11日(日)
※6月12日(金)より営業再開
月曜休館(ただし8月10日、9月21日は開館)
8月11日、9月23日は休館
10時~17時 (夜間開館は中止)
※入場は閉館の30分前まで
新型コロナウイルス感染症予防対策のため、事前にチケットの購入が必要
チケットぴあで、6月10日(水)10時から受付開始
一般 1,700円
大学生 1,100円
高校生 600円
中学生以下 無料
※障がい者手帳の提示で本人とその付添者(1名)無料
※大学生・高校生は、学生証の提示で8月1日~30日まで無料
会場での当日券の販売もありますが、混雑の状況によっては入場待ちになります
(入場は事前予約が優先されます)
既にチケットを購入している場合・観覧料無料対象にあたる場合は
事前予約ができないため、原則としていつでも入館できますが、
会場が混雑している場合は入場待ちになります
また東京国立近代美術館では、6月4日から
MOMATコレクション(所蔵作品展 6月14日まで)
北脇昇 一粒の種に宇宙を視る(コレクションによる小企画展 10月25日まで)
が再開されます。
ドイグの作品
ピーター・ドイグ(1959-)は、
現実のモチーフから幻想的な風景を作りあげる「マジックリアリズム」の画家です。
暮らした場所(イギリス、カナダ、トリニダード・トバゴなど)の風景、
近代画家の作品、映画、広告などなじみ深いものを組み合わせて
誰も見たことがない、それでいてどこか懐かしいような風景を作りあげるやり方は
絵画の新しい表現として高く評価され、
「ドイギー(ドイグ風)」という形容詞も生み出されました。
たとえば1990年の《のまれる》など多くの作品に登場するカヌーは
映画『13日の金曜日』の1シーンから着想を得たもの。
ウェブサイトのメインヴィジュアルに採用されている
《ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ》(2000-02)は
ドイツの古い観光用絵葉書と
ドイグ本人と友人がオペラの衣装を身に付けた姿を組み合わせたもので、
幻想的な風景の中には意外なものやエピソードが存在しているようです。
今回の「ピーター・ドイグ展」は5年ほど前から企画が進められており、
初期から最近のものまでドイグ作品とその変遷を緩やかにたどる構成になっています。
100号(長辺162cm)を超える大型作品が複数出展されているため、
展示空間に余裕があるのも嬉しいポイントかもしれません。
営業再開にあたっての注意点
東京国立近代美術館では、日時指定予約制チケット導入のほかにも
新型コロナウイルスの感染防止対策をとり、
来場者にも協力を呼び掛けています。
新型コロナウイルスに対する東京国立近代美術館の対策
美術館側が発表している対策は以下のようになっています
- 入口にアルコール消毒液を設置
- スタッフはマスクを着用して対応
- 手すり・エレベーターのボタンなど
多くの人が手を触れる場所のこまめな消毒・清掃を行う - コインロッカーの数を制限
- 会場内の換気を行う
- スタッフは定期的に検温と手洗いを行う
- 万が一、館内での感染者の発生が確認された場合は、
東京国立近代美術館のホームページにてお知らせ
新型コロナウイルスの対策で来館者の協力が必要なこと
美術館側がどれだけどれだけ気を配っていても
全ての入場者を完全に管理することは不可能です(されても嫌だと思います)。
スタッフと入場者の間、また入場者同士の間での感染リスクを避けるために、
東京国立近代美術館では入場者に対して次のような内容を呼び掛けています。
- 以下の条件に当てはまる場合、美術館に行かないこと
*37.5度以上の発熱がある
*咳、のどの痛み、くしゃみ、鼻水などの風邪の症状がある
*体調がすぐれない
*過去14日以内に発熱や風邪の症状等で受診や服薬等をした
*過去14日以内に感染拡大している地域や国への渡航歴がある
(この場合、外出自体を控えた方が良いと思います) - 大人数での観覧は避けること
(来館が集中した場合は、入場待ちになる可能性あり) - 入場の際、非接触型体温計による検温を実施
(37.5度以上だった場合は入館できません) - こまめな手洗い、手の消毒(会場入り口にアルコール消毒液を設置してあります)
- マスクの着用
- 会場内での会話・発声を控えること
- 他の来館者との間隔を保つこと(2メートル程度が目安)
- 壁、展示ケース、作品に触らないこと
- 美術館内で体調が悪くなった場合は、会場内のスタッフに申し出ること
- 来館日時を記録すること
(館内での感染が確認された場合、すみやかに確認できるようにするため)
「ご来館されるみなさまへのお願い」全文はこちらです。
他の展覧会など、人の多い場所に行く場合にも参考になるかもしれません。
「ピーター・ドイグ展」を家で楽しむ方法
もちろん、人が多い場所に出かけるのがまだ不安だという場合、
(今は)美術館に行かない、というのも選択肢のひとつです。
あまり考えたくありませんが、再び緊急事態宣言が出される可能性もありますし…。
外出自粛が呼び掛けられていた時期、
多くの博物館や美術館が自宅から楽しめるオンラインコンテンツを充実させていました。
この「ピーター・ドイグ展」は、公式ウェブサイトでVRが公開されており、
また以前紹介したようにニコニコ美術館から解説動画が配信されています。
(どちらも無料公開中)
さらにオンラインで図録・グッズを購入することもできます。
(ラインナップはショップごとに違います)
図録販売専門サイトMARUYODO
OIL by 美術手帖
ほぼ日カルチャんWEBショップ
もちろん、展覧会の予習のため・帰りの荷物を減らすために利用するのもおすすめです。