「源氏物語」に描かれた平安貴族の生活を覗き見させてくれる小さな博物館が、JR京都駅(または地下鉄五条駅)から歩いて行ける距離にあるのをご存じでしょうか。
源氏物語の小さな美術館はいかがですか?
2004年大河ドラマ「光る君へ」の主役は紫式部(劇中の名前は「まひろ」。俳優は吉高由里子さん)ということで、現存する日本最古の長編小説『源氏物語』には注目が集まることが予想されます。
しかしながら、現代のわたしたちにとって平安時代は遠い昔。
(源氏物語の成立は11世紀のはじめと言われていますから、現在から1000年以上前です)
当時の人たちが実際どんな生活をしていたのか想像するのは簡単ではありません。
ドラマでの再現も楽しみですが、どうせならその前に煌びやかな王朝文化の一端を見ておくのは如何でしょう。
京都には、平安貴族たちの生活を可愛らしい人形で再現する小さな美術館があります。
源氏物語のミュージアムといえば宇治市にある「宇治源氏物語ミュージアム」が有名ですが、こちらのミュージアムはJR京都駅から徒歩でもアクセス可能な場所にあります。
小さなミュージアムなのでかなりじっくり鑑賞しても所要時間は1時間程度。
京都観光の合間に立ち寄るのもちょうど良いですし、ここを最初か最後にして京都ミュージアム巡りの予定を立てるのも楽しいと思います。
すぐ近くに西本願寺・東本願寺があり、徒歩数分の距離には龍谷大学附属の「龍谷ミュージアム」も。
源氏物語を美術館で体験!ー 「風俗博物館」の魅力
下京区にある風俗博物館は、日本の風俗や衣装を展示する博物館として1974年にオープンしました。
日本の服飾に関する研究にも貢献している、歴史ある博物館です。
展示の目玉である「源氏物語〜六條院の生活」は、1998年のリニューアルで設置されました。
この展示は『源氏物語』の主人公・光源氏が太政大臣(臣下として最高の位)になった時に建てた六條院の屋敷のうち、源氏と最愛の女性である紫の上が暮らした「春の御殿」を4分の1スケールで再現したもの。
寝殿造の建物の中、人形たちが物語に登場する場面や当時の貴族の生活を再現しています。
装束や調度品がどのように使われていたのかを見て確かめることができる貴重な展示で、しかも年2回の展示替えで常に新しい場面が展開されます。
(源氏物語に限らず、作者・紫式部や同時代の人々も登場)
2012年には4分の1スケールによる「竹取物語」の展示が追加。
現在の場所に移転した2016年以降も、更なる充実が期待できます。
(過去の展示をもとにした絵ハガキは1枚100円)
風俗博物館を目指して ー 京都駅からのアクセス
JR京都駅から風俗博物館を目指すなら、京都伊勢丹のある北側の出口が便利です。
塩小路通(バスターミナルのすぐ向こう側・京都タワーの手前)を西へ。
堀川通にぶつかったら北上します。
龍谷ミュージアムの前を通り過ぎ、数分で見えてくる緑色のビル(1階はローソン)の中に、目的のミュージアムがあります。
エレベーターで5階に登れば、平安貴族の世界が目の前に広がります!
京都駅からはのんびり歩いて25分くらいですが、もっと短縮したい場合は地下鉄の五条駅(京都駅から地下鉄烏丸線で1駅)が便利です。
五条駅から烏丸通を南下し、東本願寺の北側(新花屋町通)を西へ。
堀川通を少し南下すれば、10分から15分くらいで到着できるはずです。
風俗博物館(入館料・休館期間など)
2024年の開館は2月5日(月)から(詳細は風俗博物館ホームページでご確認ください)
公式ホームページ
京都府京都市下京区堀川通新花屋町下る(井筒左女牛ビル5階)
10時~17時
日曜・祝日休館
お盆(8月13日〜17日)休館
年2回、展示替えのための休館あり(各2カ月程度)
一般 800円
中学・高校・大学生 300円
小学生 200円
風俗博物館は飲食するような場所がありません。
近くでお茶でも飲みながら展示を振り返りたい気分の時は、龍谷ミュージアムとはしごして仏教に対する造詣を深めつつ、ミュージアムカフェを利用するのもおすすめです。
龍谷ミュージアムには京都国立博物館などにも出店している前田珈琲(1971年創業。本店は室町)が入っていて、カフェのみの利用も可能です。