江戸東京博物館では2020年2月8日から4月5日まで、
「江戸ものづくり列伝-ニッポンの美は職人の技と心に宿る-」を
開催します
江戸東京博物館特別展「江戸ものづくり列伝-ニッポンの美は職人の技と心に宿る-」
2020年2月8日(土)~4月5日(日) (期間中展示替えあり)
2月29日(土)から4月13日(月)まで、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため休館(展覧会は中止)
東京都江戸東京博物館 1階特別展示室(東京都墨田区横網一丁目4番1号)
午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)
※入場は閉館の30分前まで
一般
特別展のみ 1,100円(880円)
常設展共通券 1,360円(1,090円)
大学生・専門学校生
特別展のみ 880円(700円)
常設展共通券 1,090円(870円)
中学生(都外)・高校生・65歳以上
特別展のみ 550円(440円)
常設展共通券 680円(550円)
小学生・中学生(都内)
特別展のみ 550円(440円)
常設展共通券 なし
※( )内は20名以上の団体料金。
ぐるっとパス対象施設 通常料金より20%割引
月曜日休館(ただし2月24日は開館し、翌25日(火)休館)
公式サイト
Twitter(今戸人形の「おいまどん」が展覧会情報を紹介しています)
見どころその1
バルディ伯爵のコレクション(ベニス東洋美術館所蔵)は日本初公開
裃姿でポーズをとる西洋人の男性。
エンリコ・ボルボン・バルディ伯爵(1851-1906)は
ハプスブルグ家の血筋を引くイタリアの貴族です。
1889年(明治22年)に日本を訪れた際に
陶磁器、漆器、絵画、刀剣、小物類などを蒐集し、その数は10,000点以上。
このコレクションは伯爵の死後に一部が散逸したものの、1925年に国家に寄贈されました。
今回展示されるベニス東洋美術館のほか、
パドワ大学人類学博物館にも一部が収蔵されているそうです。
見どころその2
江戸~東京の名工たち 原羊遊斎・柴田是真・三浦乾也・府川一則・小林礫斎
またこの展覧会では、江戸後期から近代にかけて活躍した職人から5名を取り上げて
その作品を中心に江戸東京で活躍した職人たちの仕事を紹介します。
原羊遊斎(1769ー1845)
江戸後期の蒔絵師
多くの門人を抱えた工房を主宰し、多くの作品を残す
装飾性の高い華やかな作風で知られ、印籠などの小品が有名
琳派の画家酒井抱一が下絵を描いた作品が多い
柴田是真(1807-1891)
幕末~明治時代の漆工家、絵師
11歳で蒔絵を学び始め、
また画工に頼らず下絵を描くために16歳から四条派の絵を学んだ
途絶えていた技法の復活や新技法の創始などで明治期の漆工業に貢献
近世から近代への橋渡しの役割を果たした工人と位置付けられる
三浦乾也(1821ー1889)
幕末~明治時代の陶工
蒔絵に陶片・象牙・貝などを嵌め込む破笠細工で有名。
碍子、煉瓦の製造などにもたずさわり、多彩な活躍をした。
1857年、仙台藩で洋式軍艦開成丸を建造したことで有名
初代府川一則(1824ー1876)
幕末~明治時代の浮世絵師、彫金師
12歳で葛飾北斎の門人となり(浮世絵師としての名は蛟斎北岑ほか)
北斎没後、29歳で金工の道に入り、彫金の名工として知られた
1863年に幕府の命により銅銭文久永宝の母銭を造り、以後も度々銅銭の原型を手がける
四代目小林礫斎(1884ー1959)
明治~昭和期の指物師、小間物職人。指物師・礫斎の四代目
もとはたばこ入れの筒や根付などを制作していたが、
大正期に日本人の服装が洋風化していった影響で仕事が激減。
この頃から精巧なミニチュア作品を制作するようになり、繊巧美術と名付けた
典型的な江戸職人の親方だった原羊遊斎
蒔絵職人としてスタートしながら、下絵の領域に踏み込んだ柴田是真
近代化する日本の工業にもたずさわった三浦乾也
日本最後の銭貨鋳造に貢献した府川一則
伝統的な仕事が廃れていく中で、自ら新しい作品を生み出した小林礫斎
この5人の仕事と人生を知ることは、
そのまま江戸から現代につづく職人の在り方を知ることに繋がるかもしれません。
ニコニコ美術館で中継が決定
休館中の3月10日19時より、
ニコニコ生放送で不定期配信される「ニコニコ美術館」で
解説付きの生中継が行われます。
https://sp.live.nicovideo.jp/watch/lv324617296
出演
橋本麻里(ライター・エディター)
杉山哲司(江戸東京博物館 学芸員)