日曜美術館「写真家ソール・ライター いつもの毎日でみつけた宝物」

番組情報

放送日時 2月 9日(日) 午前9時~9時45分
再放送  2月16日(日) 午後8時~8時45分
放送局 NHK(Eテレ)
司会 小野正嗣(作家) 柴田祐規子(NHKアナウンサー)

2020年2月9日の日曜美術館

「写真家ソール・ライター いつもの毎日でみつけた宝物」

ニューヨークの街角で、誰に見せるでもなく“日常にひそむ美”を撮り続けた写真家ソール・ライター(1923-2013)。今、若い世代を中心に共感を集める実像に迫る。

日曜美術館ホームページより

出演
 かくたみほ (写真家)
 柴田元幸 (翻訳家/東京大学名誉教授)
 マーギット・アーブ (ソール・ライター財団ディレクター)

ゲスト
 須藤蓮 (俳優)
 飯沢耕太郎 (写真評論家)

ソール・ライターの作る風景

写真家のソール・ライター(1923-2013)は
一度ファッション写真で成功をおさめた人です。
ところが58歳にして突然業界から姿を消し、
ドイツのシュタイデル社から発行されたカラー写真集『Early Color』が評判になって
世界デビュー(かつ再デビュー)をはたしたのは
なんと2006年、83歳の時でした。
この間の生活は苦しかったそうですが
(友人の援助がなければ電気代も払えないほど)、
本人は商業写真に嫌気がさして
世間に注目されたくないと本気で思っていたみたいです。

世間から見れば「行方不明」だった時期に撮りためた作品は、
ごく普通の街角の風景を独特の視点と色彩感覚で切り取ったもの。
たまたま近所で見かけたものを写真に収めただけのように見えますが、
大抵の人は見逃してしまうような「絵」が成立した瞬間を見つけて写す手腕は
もともと画家志望で毎日1枚の絵を描き続けたライターの
審美眼の確かさや技術の高さを物語っているかのようです。

解説によると、ライターの写真にはいくつか特徴があります。

  • ガラス ガラスや鏡の写り込みを利用して奥行きのある画面を演出する
  • ポイントカラー 鮮やかな色を取り入れて注目を集めるポイントを作る
  • 1/3構図 3つに分割した画面のすみに被写体を集める

もちろんソール・ライターの作品すべてがこれに当てはまるわけではありませんが、
このポイントを押さえることで「ソールライター風」に近づくようです。

また、ライター好みのモチーフとして「傘」「雨粒」「水滴」「雪」が挙げられています。
景色全体がなんとなくトーンダウンしてみえる雨の日、
積もった雪で白・グレーが大きな割合を占める背景、
窓ガラスについた水滴、一点だけ鮮やかな傘の色…
と想像してみると、これらは上に挙げた
「ガラス」「ポイントカラー」「1/3構図」に映える被写体のように思えますね。

ただそこにある風景を撮ったように見えるライターの作品ですが
じつは撮影者の細かい計算や気くばりで成り立っているのかもしれません。
あくまでもさり気なく日常の中の非日常を差し出してくるソール・ライターは
これからも世界中のファンを魅了し続けることでしょう。
(なにしろ、撮りためた作品の「発掘」はいまだ終わっていないそうですから)

「永遠のソール・ライター」展 渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアムで3月8日まで

2017年に、日本で初めてのソール・ライターの回顧展を開催したのもBunkamuraでした。
今回の展覧会では日本初公開のモノクロ・カラーの代表的な作品、未発表作品、
アトリエに残されていた作品資料が多数公開されています。

東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura 地下1階

2020年1月9日(木)〜2020年3月8日(日)
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、2月28日以降の全日程を中止しています

10時~18時 ※入場は閉館の30分前まで

一般 1,500円
大学・高校生 1,000円
中学・小学生 700円
※20名以上の団体は200円引き
 (https://www.bunkamura.co.jp/group_visits/ より事前申し込み必要)

2月18日(火)休館

公式サイト

東京の展示終了後、
美術館「えき」KYOTO(京都 JR京都伊勢丹7階隣接)で
4月11日から5月10日まで公開

「永遠のソール・ライター」展開催記念
映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』
Bunkamura ル・シネマで上映中

番組内でも紹介された、晩年のソール・ライターに取材したドキュメント映画(2012)。
日本でも2015年に公開されています。
Bunkamuraル・シネマ(Bunkamura 6階)で、2月7日(金)からの追加再上映が決定しました。

2月7日(金)~2月13日(木)
※2/14(金)以降上映時間変更の可能性あり
上映終了

17時05分~ / 19時05分~(上映時間 79分)

料金 1,300円均一
※ザ・ミュージアム「永遠のソール・ライター」展半券提示で1,100円
※特別興行につき各種割引、サービスデーは対象外

監督・撮影:トーマス・リーチ 日本語字幕:柴田元幸
配給:テレビマンユニオン

ル・シネマ作品情報
映画公式サイト(2015) http://saulleiter-movie.com/