東京都庭園美術館のミュージアムショップで見つかる 朝香宮邸のアールデコグッズ

1983年に東京都庭園美術館としてオープンした旧朝香宮邸(1933年竣工)。
「アールデコの館」として親しまれているこの美術館では
邸内の装飾をモチーフにしたグッズが充実しています。
正門横にあったミュージアムショップVERTは2020年9月30日に閉店してしまいましたが、
新館内にあるLUMIÈREとオンラインショップは引き続き営業中です。

朝香宮邸モチーフのアールデコグッズ

主にフランスのデザイナー(アンリ・ラパン 1873-1939)によってデザインされ
宮内庁内匠寮が設計・および一部の内装を手がけたこの建物。
定期的に開催される特別展も楽しみなのですが、
それと同じくらい朝香宮家の生活空間や
それを彩る装飾が目当ての利用者も多いはずです。

建物の中に施されたアールデコ特有の装飾は、
もちろん庭園美術館のオリジナルグッズにも取り入れられています。

マスキングテープ(茶・黄・黒・ピンクの4色 440円)、
クリアファイル(A4 418円)など定番のステーショナリーから、
ハンドタオル(黒・ピンクの2色 990円)、
珍しいところでは陶磁器メーカーのノリタケと共同開発した洋食器のシリーズも。
ネットショップでは現在(2020年9月)パスタやカレーなどにも使える
クーププレート(直径24cm 4,950円)の取扱があります。
(裏面にはNoritakeと庭園美術館のロゴが)

最近では
マーキングクリップ(シルバー・ゴールドの2色 3個入り 550円)
パステルカラーのマグネットバッジ(3種類 680円)が追加されました。

独特のデザインが目を引く魅力的なグッズばかりですが、
特ににおすすめしたいのは
オリジナルシール(シルバー・ゴールドの2色 3枚入り 15枚セット)です。

値段が安い事もありますが(笑)
アンリ・ラパンが設計した香水塔(上段の左と真ん中)をはじめ
邸内の装飾12種類(同じ装飾のデザイン違いがあるため)が集まったお得感のあるセット。
第二階段の丸窓(3段目の左)と
踊り場の照明(下から2段目の真ん中)のデザインは特に人気のようで、
マーキングクリップとマグネットバッジにも採用されています。

かさばらない記念品・お土産に向いているのではないでしょうか。
シールのもとになった装飾を探して美術館の中を歩いてみるのも楽しいかもしれません。
邸内の装飾は順路にそって探せば大体見つかりますが、
うっかり見過ごすおそれはありますので…

ミュージアムグッズは新館の入り口を入ってすぐの店舗と、
オンラインショップで購入できます。

東京都庭園美術館新館ミュージアムショップ LUMIÈRE(リュミエール)

10:00~18:00

毎月第2、第4水曜日・展示替え期間は休業 (美術館休館日に準ずる)

オンラインショップはこちらです

以前は正門横にもミュージアムショップVERTがあったのですが、
2020年9月30日に閉店しました。


朝香宮邸とアール・デコ

アールデコ(1910~1930年代に流行)といえばシンプルで抽象化されたデザイン。
装飾性は控えめで、幾何学模様など硬質なモチーフが中心。

女性や植物のモチーフを多用した装飾的なデザインといえば、
アールデコよりも一世代前のアールヌーヴォー(19世紀末~20世紀初頭)のもので
アールデコとは正反対、という印象があります。
(少なくともわたしには)

そのイメージをもって庭園美術館に出かけると
正面玄関の扉に浮き彫りされた女性像や優美な花で飾られた食堂の壁を見て
「これがアールデコなんだろうか?」と不思議に思ったり。

これには、アールデコの成り立ちが関係しているようです。

産業革命で大量生産が可能になると、
物が手に入りやすくなる一方で安価な粗悪品が流通するようになり、
その反動から芸術性や独自性のあるものが求められ、
アールヌーヴォー(新美術)様式が生まれました。

第一次世界大戦の勃発で
装飾性が高く大量生産に向かないアールヌーヴォーは廃れ、
優れたデザインの大量生産品が喜ばれるようになりました。
こうして登場したのがアールデコ(装飾美術)というわけで、
アールヌーヴォーとアールデコの違いは、見た目よりも製造の過程が大事なようです。
初期のアールデコはアールヌーヴォーと見分けがつきにくいものも多いんだとか。

もちろん職人による手仕事と工業生産にはそれぞれ得意な形があるわけで、
たとえば正面玄関の女性像もアールヌーヴォー様式だったら
翼の部分まで浮き彫りにされて、ひとりひとりが違うポーズをとっていたかもしれません。
なお、これをデザインしたルネ・ラリック(1860-1945)は
アールヌーヴォーのジュエリー作家として女優サラ・ベルナールに愛好され、
その後アールデコのガラス工芸家として活躍した人です。