2023年最初の日曜美術館は、
「美が溢れる明るい一年のスタートを祈って」
8人のプレゼンターが注目のイベントを紹介。
展覧会にとどまらず、寺院の特別公開・舞台・まちづくりプロジェクトなど、
これからの1年が楽しみになる内容でした。
2023年1月1日の日曜美術館
「SP ハッピーニューアーツ!」
放送日時 1月1日(日) 午前9時~10時
再放送 1月8日(日) 午前9時~10時
放送局 NHK(Eテレ)
司会 小野正嗣(作家、早稲田大学教授) 柴田祐規子(NHKアナウンサー)
2023年注目の展覧会や芸術祭、そして出会える名作は?豪華プレゼンターたちが熱く語る!▽瀬戸康史が魅せられたエゴン・シーレの瞳▽滝沢カレンの人生の教科書・さくらももこ▽井浦新は兵庫の大乗寺で円山応挙の手のひらに▽作家・朝吹真理子は坂東玉三郎と同時代に生きる幸せを▽漫画家・古屋兎丸、大竹伸朗展でまさかの出会い▽今年注目のアーティスト▽キングオブ音声ガイド2022は誰?▽あのアールデコ名建築からお届け。(日曜美術館ホームページより)
ゲスト
高田純次 (タレント)
滝沢カレン (モデル)
出演
瀬戸康史 (俳優)
井浦新 (俳優)
山岨眞應 (大乗寺副住職)
朝吹真理子 (作家)
梅原裕一郎 (声優)
古屋兎丸 (漫画家)
大竹伸朗 (アーティスト)
橋爪勇介 (編集者)
AKI INOMATA (アーティスト)
旧朝香宮邸×日曜美術館
2023年の日曜美術館は、
ジャンルや国境を越えて20世紀前半のモダンデザインを紹介する
「交歓するモダン」が開催中の東京都庭園美術館より。
1933年に旧皇族朝香宮家の邸宅として建てられた
アール・デコ建築の大客室がスタジオになりました。
ゲストには今年どのような絵を描こうか迷っているという高田純次さんと、
今年は海外の美術館や博物館に行ってみたいという滝沢カレンさんです。
「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」(東京都庭園美術館)
東京都港区白金台5-21-9
2022年12月17日(土)~2023年3月5日(日)
10時~18時
※入場は閉館の30分前まで
月曜休館
※1月9日は開館し、翌10日(火)休館
一般 1,400円
大学生(専修・各種専門学校含む) 1,120円
中学生・高校生 700円
65歳以上 700円
エゴン・シーレ展×瀬戸康史
瀬戸康史さんが推薦するのは、
8年ほど前にウィーンで一目惚れしたというエゴン・シーレ(1890-1918)です。
シーレは当時のウィーンで美術界を牛耳っていたグスタフ・クリムトに
「才能が有りすぎる」と評価されながらも、
スペイン風邪で28年の生涯を閉じた天才芸術家。
瀬戸さんはシーレの描く人物の目の輝きやくすみに、
実際に人と会った時に感じるような印象を感じると言います。
東京都美術館で開催される展覧会の展示作品は、
瀬戸さんがクリムトと出会ったレオポルド美術館のコレクションです。
「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展ーウィーンが生んだ若き天才」(東京都美術館)
東京都台東区上野公園8-36
2023年1月26日 (木) ~ 4月9日 (日)
9時30分~17時30分(金曜日は20時まで)
※入場は閉館の30分前まで
月曜休館
一般 2,200円
大学生・専門学校生 1,300円
65歳以上 1,500円
※日時指定予約制
さくらももこ展×滝沢カレン
滝沢カレンさんが「大好きな、ずっと会いたかったあの方」に会いに訪れたのは
香川県にある高松市美術館の「さくらももこ展」の会場でした。
(高松での展示は終了しています)
子どものころから漫画『ちびまる子ちゃん』の世界に親しんできた滝沢さんは、
さくらももこさん(1965-2018)の分身であり、
色々なことを教えてくれる人生の先輩であるまる子ちゃんを
尊敬をこめて「ちびまる子さん」「ちびまるさん」と呼んでいるそうです。
漫画のほかにも独特な言葉選びが光るエッセイなど
様々なさくらさんの仕事に触れた滝沢さんは、
「さくらももこさんにギューッと包まれている感じ」を味わいました。
「さくらももこ展」(そごう美術館)
神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 6階
2023年4月22日(土)~5月28日(日)
10時~20時 ※入場は閉館の30分前まで
会期中無休
会期終了後、静岡・兵庫に巡回
静岡市美術館 2023年6月17日(土)~8月23日(水)
兵庫・神戸ゆかりの美術館 2023年秋
大乗寺(応挙寺)の障壁画特別公開×井浦新
井浦新さんは、兵庫県のお寺を訪れました。
兵庫県香美町の大乗寺は、江戸中期の画家・円山応挙(1733-1795)が
13人の弟子とともに制作した165面の襖絵(すべて重要文化財)があり、
「応挙寺」の別名でも知られています。
普段は収蔵庫にしまわれているのですが、
現在は応挙直筆の「孔雀の間」「芭蕉の間」「山水の間」の襖絵が特別公開されています。
井浦さんは金地に墨一色で描かれている《松に孔雀図》を昼の光と夜の蝋燭の光で鑑賞し、
墨の特性を最大限に活かして豊かな色彩を感じさせる応挙の技巧を目の当たりにしました。
「大乗寺障壁画特別公開」(高野山真言宗 大乗寺)
兵庫県美方郡香美町香住区森860
2022年9月~2023年3月15日(水)
9時~16時
※受付は20分前まで
(1月14日、2月18日は14時まで)
不定休(法要などで拝観できない場合があります)
中学生以上 1,200円
小学生 600円
大阪松竹座×朝吹真理子
学生時代から銀座の歌舞伎座に通い
大学では江戸歌舞伎を研究していたという朝吹真理子さんのお薦めは、
今年100周年を迎える劇場・大阪松竹の100周年を記念する公演「幽玄」。
2017年に初上演、翌18年に歌舞伎座で上演された作品です。
坂東玉三郎さんと和太鼓グループ鼓童が
「羽衣」「石橋」「道成寺」など能の代表的な演目を題材に、
世阿弥が追求した幽玄の世界をあらわします。
番組の中で無人の観客席に立った朝吹さんは、
これまで劇場を通り過ぎた俳優たち・観客たちの「時間の堆積」を感じたそうです。
「大阪松竹座開場100周年記念 坂東玉三郎✕鼓童 初春特別公演 幽玄」(大阪松竹座)
大阪市中央区道頓堀1-9-19
2023年1月5日(木)~28日(土)
14時開演
12日(木)、20日(金)休演
一等席 18,000円
二等席 10,000円
三等席 6,000円
キング・オブ・音声ガイド2022が選ぶ展覧会5選
2022年に開催された展覧会の音声ガイドに最も多く出演した
キング・オブ・音声ガイド2022こと声優の梅原裕一郎さんが、
20世紀を代表するビッグネームの回顧展からまちづくりプロジェクトまで
2023年に注目するべき5つのアートイベントを
それぞれ個性的なナレーションで紹介しました。
「マティス展」(東京都美術館)
東京都台東区上野公園8-36
2023年4月27日(木)~ 8月20日(日)
9時30分~17時30分 (金曜日は20時まで)
※入場は閉館の30分前まで
月曜休館・7月18日(火)休館
※5月1日(月)、 7月17日(月・祝)、 8月14日(月)は開館
「ポケモン×工芸展 美とわざの大発見」(国立工芸館)
石川県金沢市出羽町3-2
2023年3月21日(火・祝)〜 6月11日(日)
9時30分〜17時30分 ※入館は閉館の30分前まで
月曜休館(5月1日は開館)、5月14日(日)開館
一般 900円
大学生 500円
高校生 300円
中学生以下無料
「道後オンセナート2022」(道後温泉地区)
愛媛県松山市
2022年4月28日(木)~2023年2月26日(日)
「みちのく いとしい仏たち」(岩手県立美術館)
岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
2023年4月8日(土)〜5月21日(日)
9時30分~18時 ※入場は閉館の30分前まで
月曜休館(祝日・振替休日は開館し、直後の平日に休館)
会期終了後、京都・東京へ巡回
龍谷ミュージアム 2023年9月16日~11月19日
東京ステーションギャラリー 2023年12月2日~2024年2月12日
「幕末土佐の天才絵師 絵金」(あべのハルカス美術館)
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F
2023年4月22日(土)~6月18日(日)
火~金 10時~20時
月土日祝 10時~18時
※入場は閉館の30分前まで
4月24日(月)、5月8日(月)、5月22日(月)休館
一般 1,600円
大学・高校生 1,200円
中学・小学生 500円
片岡球子展×高田純次
高田純次さんが「仕事を休んでも行く」というのは、
明治生まれで昭和から平成にかけて活躍した日本画家・片岡球子(1905-2008)の展覧会。
今回の展覧会のテーマは歴史上の人物を描いた「面構」のシリーズ。
高田さんは片岡が40年以上描き続けた富士山の絵も好きで、
自分でも1点持っていると言います。
(玄関に飾って毎日見ているんだとか)
今は新幹線から富士山を見ても片岡球子の絵が思い浮かぶそうです。
「面構(つらがまえ) 片岡球子展 たちむかう絵画」(そごう美術館)
神奈川県横浜市西区高島2-18-1
2023年1月1日(日)~1月29日(日)
10時~20時 ※入場は閉館の30分前まで
会期中無休
一般 1,400円
大学・高校生 1,200円
中学生以下無料
大竹伸朗展×古屋兎丸
古屋兎丸さんは、漫画の道に進む前の
「(自分は)何者になるんだろうと考えている時期」に
大竹伸朗さんの作品を見たといいます。
写真や印刷物を何層にも張り重ね、600匹ほどのハエの模型をちりばめた立体作品
《網膜(ニュー・トン・オブ・タンジェⅠ)》(1992-93)を前に、
自分の中にある「やばめのもの」を出していこうと考えたことが
デビュー作『Palepoli』(1994年に『ガロ』で連載開始)にはじまる
古屋さん独特の作品世界につながるんだとか。
実は、大竹さんも本屋さんで偶然『Palepoli』を見つけて衝撃を受け、
古屋さんに注目していたんだそうです。
「大竹伸朗展」(東京国立近代美術館)
東京都千代田区北の丸公園3-1
2022年11月1日(火)~2123年2月5日(日)
10時~17時 (金・土曜は10時~20時)
※入場は閉館の30分前まで
月曜休館(1月2日・1月9日は開館)
1月10日(火)休館
一般 1,500円
大学生 1,000円
高校生以下無料
会期終了後、愛媛・富山に巡回
愛媛県美術館 5月3日~7月2日
富山県美術館 8月5日~9月18日
《彫刻のつくりかた》×橋爪勇介
美術雑誌ウェブ版編集長・橋爪勇介さんは、
森美術館が3年に一度開催する「六本木クロッシング」に集う
現代アート作家の中からAKI INOMATAさんと作品《彫刻のつくりかた》を紹介します。
会場に並べられた29体の木彫作品は、実はINOMATAさんが彫ったものではなく、
動物園の協力を得てビーバーに齧ってもらったものと、
それを彫刻家に模刻・3倍に拡大してもらったもの、
3Dスキャンで複製したものを並べています。
作家とはAKI INOMATAなのか、ビーバーなのか…(動物園の人や模刻した彫刻家も…)
橋爪さんはこの「作家」という存在を揺るがす試みを面白いと感じたそうです。
「六本木クロッシング2022展 往来オーライ!」(森美術館)
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
2022年12月1日(木)~2023年3月26日(日)
10時~22時 (火曜日は10時~17時)
※1月3日(火)・3月21日(火・祝)は22:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会期中無休
[平日]
一般 1,800円(1,600円)
学生(高校・大学生) 1,200円(1,100円)
子供(4歳~中学生) 600円(500円)
シニア(65歳以上) 1,500円(1,300円)
※( )内は専用オンラインサイトの料金
[土・日・休日]
一般 2,000円(1,800円)
学生(高校・大学生) 1,300円(1,200円)
子供(4歳~中学生) 700円(600円)
シニア(65歳以上) 1,700円(1,500円)
※( )内は専用オンラインサイトの料金