サントリー美術館年間パスポート(メンバーズクラブ会員証)限定デザインは2021年6月末まで

サントリー美術館では現在リニューアルオープンを記念して
限定デザインの会員証(年間パスポート)を発行しています。
メンバーズクラブの会員投票で選ばれたデザインは、
所蔵品の《八橋蒔絵扇形紅板》をモチーフにしたもの。
限定デザインの発行は2021年6月末までです。

サントリー美術館のメンバーズクラブ会員証について

個人会員の場合
年会費 6,000円
有効期限 翌年の同月末日まで

特別展の入場料は今のところ一般1500円(大学・高校生1,000円)なので、
1年(入会・更新の時期によってはおよそ13か月)の間に
一般は4~5回以上、学生は6回以上入館するとモトがとれます。

2010年代の開催記録をみると
サントリー美術館は年に5~6回の特別展を開催しているため、
すべての特別展に最低1回ずつ通えば良いことになりますね。
(常設展はありません)

メンバーズクラブの会員証は
美術館入口のカウンターで入会(または更新)を申し込むと
当日から発行されます。


サントリー美術館のメンバーズクラブの特典

  1. 年間フリーパス(会員証の提示が必要。本人および同伴者1名まで無料)
  2. 会員限定の貸切り鑑賞会(学芸員によるレクチャーあり)のご招待
  3. 会員限定イベントやサントリーホール公演など、各種イベントのご招待
  4. 講演会やワークショップなどのラーニングプログラムを優先受付(メンバーズ優先枠を超えた場合は抽選)
  5. 小冊子「サントリー美術館ニュース」の送付(展覧会情報・インタビュー、ショップ・カフェの情報など)
  6. 全国の提携美術館・博物館で入館料割引

現在(2021年1月)の提携館は以下の22館です。

  • 出光美術館(東京都千代田区)
  • 大倉集古館(東京都港区)
  • 五島美術館(東京都世田谷区)
  • 21_21 DESIGN SIGHT(東京都港区)
  • 泉屋博古館分館(東京都港区)
  • 畠山記念館(東京都港区)
  • DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸)
  • 千葉市美術館(千葉県千葉市中央区)
  • MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市信楽町田代)
  • 国立民族学博物館(大阪府吹田市 万博記念公園内)
  • 広島県立美術館(広島県広島市中区)
  • 広島市現代美術館(広島県広島市南区)
  • ひろしま美術館(広島県広島市中区)
  • 尾道市立美術館(広島県尾道市西土堂町)
  • 足立美術館(島根県安来市古川町)
  • 島根県立石見美術館(島根県益田市有明町)
  • 島根県立美術館(島根県松江市袖師町)
  • 島根県立古代出雲歴史博物館(島根県出雲市大社町)
  • 愛媛県美術館(愛媛県松山市堀之内)
  • 植田正治写真美術館(鳥取県西伯郡伯耆町)
  • 山口県立美術館(山口県山口市亀山町)
  • 山口県立萩美術館・浦上記念館(山口県萩市平安古町)

また、サントリー美術館は今のところ事前予約制をとっていませんが、
混雑で入場待ちになった時に
メンバーズ会員は優先で入場できるそうです。


リニューアル・オープン記念限定デザインは《八橋蒔絵扇形紅板》

限定デザインは4つの候補の中から会員による投票で決定されました。
2020年の2月ごろだったそうです。
(わたしはメンバーズクラブの期限切れで参加できませんでしたが…)

1位のデザインは、美術館の所蔵品である《八橋蒔絵扇形紅板》からとったもの。
得票数は599票でした。

《八橋蒔絵扇形紅板》(やつはし まきえ おうぎがた べにいた)について

限定デザインに採用された《八橋蒔絵扇形紅板》(19世紀)の実物は、
黒漆の地に杜若・流水・板橋を組み合わせた「八橋図」を金銀の蒔絵で描いたもので、
杜若の花の部分は銀色で表現されています。

「八橋図」とは『伊勢物語』第9段(東下り)の一場面。
京の都から東国へ旅に出た男が
三河の国の八橋という場所(現在の愛知県知立市八橋町のあたり)に
杜若の花が咲いているのを見て
唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」と、
各句の頭文字に「カキツバ(ハ)タ」を置いて
故郷の妻をしのぶ歌を詠んだというエピソードにちなんだ図で、
工芸デザインのモチーフとしても古くから愛されてきました。

紅板は携帯用の口紅入れのこと。
コンパクトのように二つ折りにした板の内側に紅を塗り付け、筆でとって使います。
《八橋蒔絵扇形紅板》は蓋をかぶせた箱の形をしていますが、
こういった形のものもまとめて「紅板」と呼ぶようです。


第二候補《白泥染付金彩薄文蓋物》(はくでい そめつけ きんさい すすきもん ふたもの)

投票で第2位となったデザインは
尾形乾山作の《白泥染付金彩薄文蓋物》(18世紀初め頃)。

江戸中期の陶工で絵師でもあった尾形乾山(1663-1743)による陶器の蓋物で、
サントリー美術館が所蔵する15の重要文化財のひとつです。
得票数は255票と《八橋蒔絵扇形紅板》の半分以下でしたが、
こちらも美術館が誇る名品です。

隅を丸めた四角(ほぼ丸のように見えます)の形は、
籠の蓋物を参考にしたとも言われているそうです。
そう言われると、ダイナミックに描かれたススキが縦横斜めに交差する様子は
籠の網目のようにも見えてきます。

こちらが採用された場合は
カードの全面に模様を写した大胆なデザインになる予定だったそうで、
優雅な《八橋蒔絵扇形紅板》とはまた違った、魅力的なものになったことでしょう。